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休めないのは脳の使いすぎ|精神科医が教える5つの脳の休め方

休めない。休みの日なのに頭が休まらない。何もしていないのに疲れるのは、体力ではなく、脳のエネルギーが削られつづけているからかもしれません。精神科医しょうが、休めない理由と、今日からできる5つの脳の休め方をお話しします。

こんにちは。精神科医しょうです。

休めない。
休みの日なのに、頭が休まらない。
今日は、このお悩みについてお話しします。

予定がない日なのに、なぜか疲れ切っている。
家に帰っても、仕事のことが頭から離れない。
ちゃんと寝たはずなのに、朝からだるい。

ゆっくりしているつもりでも、気づけば何か考えごとをしている。

この記事で分かること

  • 休めない、頭が休まらない本当の理由
  • 頭が休まらないとき、体と心で起きていること
  • 今日からできる、5つの脳の休め方

休めないのはなぜ?脳が休まらない3つの理由

頭が休まらない3つの理由の図。刺激を頭の中で深く処理しつづける、休む時間にテレビやスマホの情報が入りこむ、家に帰ってもオフにならず仕事の反省会をしてしまう。体ではなく、脳が疲れている状態。

結論からお話しすると、休めないのは、怠けているからでも、休み方が下手だからでもありません。
体力ではなく、脳のエネルギーが削られつづけているからです。

何もしていないのに疲れていると、こんなふうに思ってしまうかもしれません。

「なんで、何もしてないのにクタクタになるの?」

でも、ひとつだけ訂正させてください。

しょう

それは、体が疲れているのではありません。
脳を、使いすぎている状態なんです。

1. 刺激を、頭の中で深く処理しつづけている

HSP(とても繊細な気質を持つ人)や、感受性の豊かな人は、ほかの人が流してしまうような刺激も、頭の中で深く処理しつづけます。

相手の何気ない一言。
その場の空気の変化。
明日の予定への不安。

それが積み重なって、休んでいるつもりでも、思考がずっとフル回転しているのです。

2. 休む時間に、情報が入りこんでくる

朝、テレビをつけながらスマホを開く。
映像も音も、LINEもSNSも、一度に入ってくる。

ながら見ができてしまう分、なんとなくザワザワして落ち着かない。
情報が多いほど、心はかき乱されます。
休んでいるはずの時間にも、目と耳はずっと働きつづけているのです。

実は、私自身もそうでした。
朝起きて、まずテレビをつけて、スマホを開く。
すると、ほんの少しだけ、ザワザワして落ち着かない感覚が出てくるんです。
それに気づいてから、私はテレビや動画を見る時間を、なるべく減らすようにしています。

3. 家に帰っても、オフに切り替わらない

家に帰ってからも、仕事のことを考えてしまう。
特に、「あのとき、ああ言えばよかった」と一人反省会をしてしまう。

仕事中も脳をフル活動させて、家に帰ってからも休まる瞬間がない。
しかも、考えている中身がつらいことばかり。
それでは、休みの日になっても頭が休まらないのも当然です。

休みの日まで、職場の人の顔や頼まれごとが浮かぶなら、自分軸チェックの「ひきうけ型」(頼まれると、断れない人)に近いクセがあるかもしれません。

休めないとき、体と心で起きていること

頭が休まらない日のくり返しの図。休もうとする、仕事や人の一言について考えごとが始まる、休んでいるのに脳がフル回転する、寝ても朝からだるく疲れが残る。その根っこにあるのは、深く考える力と、たくさん感じとる力。

体の緊張が、抜けないままになっている

一日働いたあとの体は、自分が思っている以上に、ガチガチになっていることが多いです。
ほぐさないまま過ごしていると、いつまでも緊張が抜けず、オフに切り替わりにくくなります。

私たちの毎日には、緊張とリラックスの両方があります。
本当は、ほどよく組み合わさっているのが理想です。
でも現実には、緊張のほうが勝っていることのほうが多いのです。

仕事のことを考えるのが、すべて悪いわけではない

「もっと成長したい」「何を勉強すれば仕事に活かせるだろう」。
こんなふうに前向きな意味で仕事のことを考えるのは、健全なことです。

気をつけたいのは、つらいことや不安なことを、休む時間にも考えつづけてしまうとき。
その状態が長く続くと、心の不調につながることもあります。

休めないあなたに必要なのは、もっとがまんすることではなく、脳をきちんと休ませる時間です。

休めない人のための、5つの脳の休め方

頭が休まらない人のための5つの脳の休め方の図。感じることに意識を向ける、何もしない時間を5〜10分つくる、お風呂にゆっくりつかる、自然に触れる、呼吸と体の感覚で緊張をゆるめる。

HSPという言葉を提唱したアーロン博士も、著書の中で、心の動揺をおさえる方法として、お風呂、水辺の散歩、瞑想などを挙げています。
ここでは、ラジオでもお話ししてきた方法を5つ紹介します。

1. 「感じること」に意識を向ける

頭を使いすぎているときこそ、考えるのではなく、感じることに脳を使ってあげてください。

  • 手に触れるマグカップの温かさ
  • 窓から見える空の色
  • 足の裏が、床についている感覚

こうやって、今ここにある感覚に目を向けると、思考のループがゆるんで、脳がふっと休みはじめます。

2. 何もしない時間を、5〜10分つくる

目からも耳からも、何も入ってこない時間を、1日に5〜10分つくってみてください。
音も聞こえない、何も目に入ってこない状態が、いちばんの理想です。
ふだん五感をフルに使ってクタクタになっている分、全部を休ませてあげるのです。

全部をシャットアウトするのが難しければ、ひとつ減らすだけでも構いません。
たとえば、テレビやスマホのながら見をやめて、景色を眺めながら音声だけを聴く。
それだけでも、五感の疲れはずいぶん違います。

3. お風呂に、ゆっくりつかる

仕事や外出から帰ったら、シャワーで済ませずに、お風呂にゆっくりつかってみてください。
刺激やストレスを受けた体と心を、ほぐすことができます。

4. 自然に触れる

帰り道に、緑の多い公園で少しぼーっとする。
河川敷を、少しだけ散歩する。

そんな元気がない日は、帰りの電車で自然の写真を眺めるだけでも構いません。
感受性が豊かな人ほど、自然の癒やしを受け取りやすいはずです。

5. 呼吸と体の感覚で、緊張をゆるめる

目を閉じて、鼻から5秒吸って、10秒かけて長く吐く。
これを5〜10分続けるだけでも、心は落ち着いてきます。

もう少ししっかり緊張をゆるめたいときは、精神科や心療内科でも使われることがある「自律訓練法」もあります。

自律訓練法のはじめの2ステップ

  • 楽な姿勢で目を閉じ、「気持ちが落ち着いている」と心の中で唱える
  • 利き手から順に「右手が重たい」「左手が重たい」と、手足の重さを感じる
  • 同じ順に「右手が温かい」と、手足の温かさを感じる
  • 終わったら、手を強くにぎって開く、首や肩を回すなどの動作で、体をもとに戻す

最後の「もとに戻す動作」は、必ずしてください。
ぼんやりしたまま動くと、ふらつくことがあります。
そのまま眠るときは、しなくても構いません。

休みの日も休めない人へ、仕事を考えないための工夫

休みの日に仕事のことを考えないための工夫の図。家族や友人と過ごす、趣味の時間をもつ、休みの日に気にならないよう計画的に片づけておく、携帯やメールをなるべく見ない。

仕事と休みの境目を上手に保てている人は、こんな工夫をしているとされています。

  • 家族や友人と過ごす
  • 趣味の時間をもつ
  • 仕事に関係しない人と交流する
  • 休みの日に仕事が気にならないよう、計画的に仕事を片づけておく
  • 休みの日は、携帯やメールをなるべく見ない

全部でなくて構いません。
自分に合いそうなものから、ひとつ取り入れてみてください。

休めない人によくある質問

ちゃんと寝ているのに、疲れが取れないのはなぜですか?

体力ではなく、脳のエネルギーが削られている状態かもしれません。
繊細な人は、刺激を頭の中で深く処理しつづけるため、思考がずっとフル回転していることがあります。

休みの日に仕事のことを考えるのは、よくないことですか?

前向きな意味で考えているなら、健全なことです。
気をつけたいのは、つらいことや不安なことを、休む時間にも考えつづけてしまうときです。

自律訓練法は、誰がやっても大丈夫ですか?

ふつうは大きな副作用はありませんが、避けたほうがいい方もいます。
心臓や呼吸器、消化器の病気で出血のおそれがある方、脳出血を起こしたことがある方、重い精神症状がある方などです。
持病がある方は、主治医に相談してから試してください。

まとめ:休めない脳を、感じる脳に

考える脳を、感じる脳に切りかえる図。「あの一言、どういう意味?」と考えつづけるかわりに、マグカップの温かさや空の色、足の裏の感覚を感じてみる。感じることに脳を使うのが、いちばんの休息。

休めないのは、あなたがたくさん考えて、たくさん感じて生きているからです。

だからこそ、休ませてあげる時間も、大切にしてあげてください。

今日、5分だけ。
手に持ったマグカップの温かさを、ゆっくり感じてみてください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
精神科医しょうでした。

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