記事一覧

自分を大切にするのはわがまま?精神科医が教える自分軸と自己中の違い

自分を大切にしたいのに、わがままになりそうで怖い。自分のことを大切にできていないと思う。それは、相手を大切にしてきた優しい人ほど感じやすい悩みです。精神科医しょうが、自分軸と自己中の違いと、自分を大切にする4つのことをお話しします。

こんにちは。精神科医しょうです。

自分のことを大切にできていないと思う。
でも、自分を優先したら、わがままなんじゃないか。
今日は、このお悩みについてお話しします。

本当は断りたいのに、「いいよ」と言ってしまう。
怒りたいのに、笑ってごまかしてしまう。
自分の意見より、まず相手の気持ちを優先してしまう。

そして心の奥で、「なんでいつも、自分ばっかり我慢しているんだろう」と、モヤモヤしてしまう。

この記事で分かること

  • 自分を大切にできない、本当の理由
  • 「自分軸」と「わがまま(自己中)」の違い
  • 自分を大切にするための、4つのこと

自分を大切にできないのはなぜ?わがままになりそうで怖い理由

自分を大切にできないときのくり返しの図。どうせ私なんてと自己肯定感が下がる、人に合わせる、疲れる、うまくいかずさらに自分を否定する。その根っこにあるのは、優しさと気配りを大切にしてきたこと。

結論からお話しすると、自分を大切にできないのは、あなたがわがままになるのを怖がるほど、相手を大切にしてきたからです。

自分のことを考えようとすると、こんな気持ちがわいてくるかもしれません。

「自分を優先したら、わがままだと思われそう」

でも、ひとつだけ訂正させてください。

しょう

いい人でいることは、決して悪いことではありません。
でも、いい人でいることが義務になったとき、それは少しずつ、あなた自身を削っていくんです。

相手を傷つけたくない気持ちが、とても強い

HSP(とても繊細な気質を持つ人)や、優しい人ほど、相手の気持ちを敏感に感じ取ります。
傷つけたくない、という思いが強いぶん、自分の気持ちを後回しにしてしまうのです。

そして知らないうちに、まわりの期待に応えようと、無理を重ねてしまいます。

自己肯定感が下がると、基準が自分の外に出ていく

自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れられる感覚です。
何かができたから価値がある、ではなく、できなくても自分には価値がある、と思えること。

自己肯定感が下がると、「正解はどこかにあるはず」と、他人の判断に頼りがちになります。
すると、自分の本音がわからなくなって、行動の基準が自分の外にある状態になってしまう。

自己肯定感が低い → 人に合わせる → 疲れる → うまくいかない → さらに自分を否定する。
こうしたくり返しに、入ってしまうことがあるのです。

「いい人=好かれる人」と思いこんでいる

嫌われたらどうしよう、と思うのは、とても自然なことです。
でも、誰にでも好かれようとするほど、自分でいることが苦しくなってしまいます。

本当は断りたいのに「いいよ」と言ってしまうなら、自分軸チェックの「ひきうけ型」(頼まれると、断れない人)に近いクセがあるかもしれません。

自分軸とわがまま(自己中)の違い

自己中と自分軸の違いの図。自己中は、自分の気持ちだけを通して相手の気持ちを見落とすこと。自分軸は、相手の気持ちも考えたうえで、自分の分も数に入れること。

自分を大切にすることと、自己中は別のもの

自己中とは、自分の利益や欲求を第一に考えて、まわりの人の気持ちを見落としてしまうことです。
「こんなことをしたら、相手はどう思うだろう」と考える余裕が、なくなっている状態です。

一方で自分軸は、人生の羅針盤のようなものです。
自分の価値観をもとに行動を選びながら、相手がどう感じるかも考えて、調和のとれた関係を築いていきます。

私たちが陥りがちなのは、自分を大切にすることと、自己中を混同してしまうことです。

自分軸は、自分の分の「測り忘れ」を戻すこと

人に合わせすぎてしまう人は、人の気持ちを測るのがとても上手です。
ただ、人の分ばかり測って、自分の分だけ、測り忘れている。

自分軸とは、相手のことを考えないことではありません。
相手のことも考えたうえで、自分がいま消耗していないかも、ちゃんと数に入れること。

気を遣える人が、気を遣うのをやめる必要はありません。
その気遣いの中に、自分も一人、入れてあげればいいのです。

自分軸と思いやりは、支え合う

どちらかに偏ると

起きやすいこと

自分軸だけが強い

相手の事情を見落として、冷たいと誤解され、孤立しやすい

思いやりだけが強い

本音や限界を飲みこんで、「私ばかり損している」と疲れてしまう

両方ある

相手にも自分にも、無理のない関係が築ける

たとえば、友人から誘われたけれど、今日は休みたいとき。
自分軸があれば、「今日は休息が必要だから断ろう」と決められます。
そこに思いやりが加われば、「今日は疲れているから行けないけれど、また別の日に会おう」と、相手を気遣った断り方ができます。

「わがままかも」と悩めること自体が、優しさの証

自分は本当は、いちばん身勝手なのではないか。
そう考えて、後悔や反省ばかりしてしまう人もいます。

でも、自分を大切にしたい気持ちと、まわりを大切にしたい気持ちのあいだで迷えること自体が、あなたが周囲との調和を大切にしている証です。
本当に自己中な人は、そもそも、そこで悩みません。

自分を大切にするための、4つのこと

自分を大切にするための4つのことの図。今の気持ちを書き出す、本当に私が望んでいることかと問いかける、また今度ねと小さなNOを練習する、うまくいかなかったけどちゃんと頑張ったよねと自分にやさしく声をかける。

1. 今の気持ちを、書き出してみる

今日うれしかったこと。
モヤっとした場面と、その理由。
今、自分が感じていること。

かしこまらず、そのままの言葉でノートに書くだけで構いません。
言葉にすると、ふだん気づけていない自分の本音が見えてきます。

2. 「本当に、私が望んでいること?」と問いかける

いい人でいようとしているとき、こう自分に聞いてみてください。

「このいい人は、本当に私が望んでやっていること?それとも、嫌われたくないからやっていること?」

3. 小さな「NO」を練習する

いきなり大きな自己主張をしなくても構いません。

  • 無理な誘いに、「また今度ね」と返してみる
  • 違和感があるときに、「うーん、それはちょっと」とにごしてみる

小さな自分の気持ちを拾ってあげることから、始めてみてください。

4. 自分に、やさしく声をかける

うまくいかなかったとき、私たちは自分にとても厳しくなりがちです。
「なんでこんなこともできないの」「また、やっちゃった」。

そんなときこそ、他人にかけるように、自分にもやさしく声をかけてあげてください。

  • 「うまくいかなかったけど、ちゃんと頑張ったよね」
  • 「今日は疲れているんだよね。ちょっと休もう」

断るときは「自分の状態 → 相手への理解 → 提案」の順で

自分も相手も大切にする伝え方

  • 自分の状態を伝える:「今日は体力が足りないので」
  • 相手の事情もくむ:「急ぎなのは分かっているのですが」
  • できることを提案する:「来週の昼なら調整できます」

自分を大切にしたい人によくある質問

自分を優先したら、わがままだと思われませんか?

自分軸と自己中は違います。
自己中は、相手の気持ちを見落として、自分の気持ちだけを通すこと。
自分軸は、相手の気持ちも考えたうえで、自分の分も数に入れることです。

断ったら、嫌われてしまいませんか?

嫌われたらどうしよう、と思うのは自然なことです。
「また今度ね」のような小さな断りから始めて、「また別の日に会おう」と相手を気遣う一言を添えてみてください。

自分が身勝手なのではと、反省ばかりしてしまいます

そうやって迷えること自体が、あなたがまわりとの調和を大切にしている証です。
感情には、必ず根っこがあります。
責める前に、「なぜそう感じたんだろう」と、少しだけやさしく振り返ってみてください。

まとめ:その気遣いの中に、自分も一人入れてあげる

その気遣いの中に、自分も一人入れてあげる図。相手の分だけを測るのをやめて、自分の分も数に入れる。自分を大切にするのは、わがままではない。

自分のことを大切にできていないと感じるのは、あなたがそれだけ、まわりを大切にしてきたからです。

自分を大切にすることは、わがままではありません。
誰かにやさしくするのと同じくらい、自分の気持ちにも、やさしくなっていいのです。

今日ひとつだけ、自分の気持ちを拾ってみてください。
「本当は、私はどうしたかった?」

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
精神科医しょうでした。

コメント

まだコメントはありません