人が怒られているとつらいのはなぜ?精神科医が教える5つの対処法
人が怒られているのを見るとつらい。自分に向けた言葉ではないのに、責められているような気持ちになる。それは、怒りという強い刺激を深く受け取る力があるからです。精神科医しょうが、理由と5つの対処法をお話しします。

こんにちは。精神科医しょうです。
「私に対する言葉ではないけど、私が責められているような気持ちになる。」
今日は、インスタのアンケートに寄せられたこの声についてお話しします。
職場で誰かが上司に怒られていると、まるで自分が怒られているような気持ちになる。
街中で怒っている人を見かけるだけで、そのあとも嫌な気持ちが続く。
誰かの悪口や愚痴を聞いていると、自分が責められているように感じて、どっと疲れる。
同じアンケートには、「私は関係なくても嫌な気持ち、悲しい気持ちになる。」という一文もありました。
人が怒られているとつらいのは、あなたが弱いからではありません。
この記事で分かること
- 人が怒られているとつらくなる、本当の理由
- 自分に向いていない怒りまで、受け取ってしまうしくみ
- 怒りを受け取ったときの、5つの対処法
- 一人で抱え込まないための考え方
人が怒られているとつらいのはなぜ?

結論からお話しすると、人が怒られているとつらいのは、怒りという強い刺激を、深く受け取る力があるからです。
自分に向いていない怒りまで感じ取って、自分のことのように受け止めてしまう。だから、怒られていないのに心が疲れてしまうのです。
怒りは、とても大きな刺激
怒りという感情は、とても強いエネルギーを持っています。
HSP(とても繊細な気質を持つ人)は刺激に敏感なので、その強いエネルギーから、大きな影響を受けてしまいます。
そのため、怒られている人を見ているだけで、自分まで落ち込んだり、クタクタに疲れたりします。
職場で誰かが怒られていると、なんだか自分が怒られているような感覚になる。
こうした悩みを持つ方は、とても多いのです。
第三者に向いた悪意を、自分に向いていると感じてしまう
悪口や愚痴を聞くのがつらいのも、同じしくみです。
相手は、ただ誰かの悪口を言っているだけかもしれません。
でも、その悪意を感じ取りすぎて、自分に向いているように感じてしまうのです。
愚痴も同じです。
相手の体験なのに、共感しすぎて、まるで自分が体験したかのようにつらさを感じてしまいます。
相手は愚痴を言ってすっきりしているのに、こちらは共感してぐったりしている。そんなことも起こります。
相手の感情を、スポンジのように吸い込んでしまう
共感する力が高い人は、相手の気持ちを自分のことのように感じます。
相手の痛みが自分の心にも響いて、まるでスポンジのように感情を吸収してしまうのです。
そしてその感情がなかなか抜けずに、ずっと心が重いままになります。
自分の怒りも、ため込みやすい
もうひとつ、HSPは怒りの感情をため込みやすいという特徴もあります。
人からの怒りを受けやすく、相手のことを考えて、自分の感情を抑え込みやすいからです。
怒りをため込むと、その矛先が自分自身に向いて、よりつらくなってしまいます。
人が怒られているのを見てつらいときの5つの対処法

自分に向いていない怒りを受け取ってしまったら、次の5つを試してみてください。
1. 「これは私の感情?相手の感情?」と問いかける
大切なのは、自分と相手のあいだの境界線を意識することです。
気持ちが引っぱられそうになったら、心の中でこう問いかけてみてください。
これは私の感情? それとも相手の感情?
そう問いかけるだけで、少しずつ、自分の心と相手の心を分けて考えられるようになります。
怒られているのは、目の前のその人です。あなたが責められているわけではありません。
2. 深呼吸をして、少しの時間リラックスする
怒りの感情のピークは、6秒くらいとよく言われます。
怒りにふれたときは、深呼吸をして、少しの時間でも心を落ち着かせてください。
その短い時間が、怒りでいっぱいになった頭の中を落ち着かせてくれます。
3. 感じたことを紙に書き出す
怒られている人を見て、自分までつらくなった。
そんなときは、そのとき感じたことを紙に書き出してみてください。
書き出すと、自分の感情を少し離れたところから眺めることができて、心に落ち着きが戻ってきます。
自分が感じたことを紙に書き出すことを、ジャーナリングと言います。
4. 自然にふれる・好きなことに集中する
自然にふれて気持ちをリフレッシュしたり、音楽や芸術で気分を変えたり、好きなことに頭を集中させたりするのも効果的です。
感受性が豊かな人ほど、自然や音楽から受け取る良いものも大きいのです。
5. ため込んだ怒りは、体や表現で外に出す
それでもため込んでしまった感情は、エネルギーとして外に出してしまいましょう。
- 体を動かす
- 文字にして書く
- 絵やアートで表現する
- 音楽を聴きながら体を動かす
受け取った怒りを、自分の中に置きっぱなしにしないことが大切です。
人が怒られている場面は、どこにでもある

外に出かける、職場に行く、誰かと一緒に暮らす。
一人で暮らしていても、ネットの中で怒りにふれることがあります。
人がいる限り、怒りの感情にまったくふれずに生きるのは、とても難しいことです。
そんなときに周りから「気にしなければいいじゃん」「気にしすぎだよ」と言われて、一人で抱え込んでしまう方もいるかもしれません。
一人で悩みを抱え込むのだけは、やめましょう。
一つでも相談できる場所があると思えるだけで、気持ちはずいぶん楽になります。
共感することと、共感しすぎることは違う
相手に寄り添う気持ちは、とても大切な優しさです。
でも、共感することと、共感しすぎることは違います。
- 私は、相手の気持ちを理解できる
- でも、その感情まで引き受けなくてもいい
- 相手の悲しみや怒りは、相手のもの
- 私は、ただ寄り添うだけで十分
自分の心を守ることも、大切な優しさのひとつです。
相手の気持ちを理解することと、自分の心を守ることは、どちらも大事。どちらかを犠牲にしなくていいのです。
人が怒られているとつらい人によくある質問
職場で誰かが怒られていると、仕事が手につきません
怒りはとても大きな刺激なので、近くで怒られている人がいると、自分も落ち込んだり疲れたりするのは自然なことです。
その場で深呼吸をして、心の中で「これは私の感情?相手の感情?」と問いかけてみてください。
帰ってから、感じたことを紙に書き出すのもおすすめです。
悪口や愚痴を聞くと、自分が言われている気がします
相手の悪意は第三者に向いているのに、感じ取りすぎて、自分に向いているように感じてしまうことがあります。
「この言葉は、私に向いているものではない」と、境界線を意識してみてください。
「気にしすぎ」と言われると、余計につらくなります
怒りを強く感じ取ってしまうのは、気にしすぎでも、弱いからでもありません。感受性が豊かだからこそ起こることです。
気持ちを共有できる場所は、必ずあります。一人で抱え込まないことを、いちばん大切にしてください。
まとめ:人が怒られているとき、その怒りは相手のもの

人が怒られているとつらいのは、あなたが怒りという強い刺激を深く受け取り、相手の気持ちを自分のことのように感じられる人だからです。
ただ、受け取りすぎると、自分に向いていない怒りまで背負って、心が疲れてしまいます。
これは私の感情か、相手の感情かを問いかける。
受け取ってしまったら、深呼吸や書き出しで外に出す。
そして、一人で抱え込まない。
その優しさが、あなた自身の負担にならないようにしてあげてください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
精神科医しょうでした。




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