職場の苦手な人に疲れるのはなぜ?精神科医が教える距離の取り方
職場の苦手な人に疲れる。嫌いな人の存在そのものがストレスになる。それは、苦手な相手とも仲良くしようとする優しさがあるからです。精神科医しょうが、職場の苦手な人との体と心の距離の取り方をお話しします。

こんにちは。精神科医しょうです。
「嫌いな人の存在がストレスになる」。
今日は、職場の苦手な人に疲れてしまうお悩みについてお話しします。
同じ職場に、どうしても苦手な人がいる。
その人と同じ作業をするように言われただけで、朝から気が重くなる。
その人が休みの日は、ほっとしている自分がいる。
この記事で分かること
- 職場の苦手な人に、こんなに疲れてしまう理由
- 苦手な人がいるのは、おかしなことではないということ
- 職場の苦手な人と、体の距離をとる4つの方法
- 職場の苦手な人と、心の距離をとる4つの考え方
職場の苦手な人に疲れるのはなぜ?

結論からお話しすると、職場の苦手な人に疲れるのは、苦手な相手とも仲良くしなきゃと、優しさで無理をしてしまうからです。
職場の人間関係は選べません。だからこそ、苦手な人とは「距離をとっていい」と知っておくことが大切です。
職場の人間関係は、選べない
仕事は、一日のうちの大部分を占めます。
そして職場の人間関係は、自分で選ぶことができません。
年齢も、性別も、価値観も、考え方もちがう人たちが、家から近かった、やりたい仕事が同じだった、という理由で、たまたま同じ職場にいるだけです。
その中に、どうしても合わない人がいるのは、自然なことなのです。
苦手な相手とも、仲良くしなきゃと思ってしまう
HSP(とても繊細な気質を持つ人)は、思いやりがあって、相手の話をじっくり聞き、気持ちに共感しようとします。
その優しさから、苦手だと感じる相手にも「仲良くしないと」「近い距離で関わらないと」と、無理をして付き合ってしまいがちです。
一緒にいるだけで気をつかい、話すだけでも大きな負担になる。
これが毎日続けば、ぐったり疲れてしまうのは当然です。
家に帰っても、その人のことを考えてしまう
「なんであんなこと言うんだろう」
「あんな言い方しなくていいのに」
「何か気にさわることをしたかな」
職場の苦手な人のことを、家に帰ってからもあれこれ考えてしまう。
仕事の時間だけでなく、自分の時間まで、その人に使ってしまっているのです。
苦手な人がいるのは、おかしなことではない

私のインスタで、2026年9月にアンケートをとりました。
「人には言えないこと」という質問には、こんな声が寄せられました。
- 「職場の後輩を苦手だなと思う」
- 「苦手な人が、休みになってホットした」
- 「嫌いな人の存在がストレスになる」
苦手な人がいることを、人には言えずに抱えている方は少なくありません。
でも、苦手な人がいるのは、あなたの心がせまいからではありません。
どこに行っても、一定数合わない人はいる
どこに行っても、あなたと合わない人は一定数います。
これは、職場を変えても、住む場所を変えても同じです。
周りの人も、同じように感じている
あなたにきつい言い方をしたり、高圧的な態度をとったりする人がいるとします。
そういう人に対しては、たいてい周りの人も「なんであんなこと言うんだろう」と、あなたと同じ気持ちを抱いているものです。
多くの人は、あなたの味方
そっけない態度をとられたり、ひどいことを言われたりすると、まるでいろいろな人から嫌われているように感じてしまいます。
でも、そういう態度をとってくるのは、ごく一握りです。
本当に大切にしたいのは、ふだんあまり声を上げない、あなたの味方の人たちです。
職場の苦手な人とうまくいかないのは「ノイズ」のせいかも

職場の苦手な人とうまくいかないとき、「性格が合わない」「価値観がちがう」と考えがちです。
でも、コミュニケーションがうまくいかない理由は、ほかにもあります。
会話をじゃまするものを、「ノイズ」と呼びます。ノイズには3つあります。
ノイズ | どんなもの |
|---|---|
物理的ノイズ | 電車の音や工事の音など、話す場所のまわりの音 |
心理的ノイズ | お互いの性格や思いこみ、先入観 |
意味的ノイズ | 言った側のつもりと、受け取った側の意味のズレ |
私も初めての海外旅行で、レストランで「ウォーター」と頼んだら、ボトルの水が来て、その分の料金がかかったことがあります。
私は水道水のつもり、お店の人はボトルの水のつもり。まさに、意味のズレでした。
性格が合わないと考えて自分を責める前に、「どこかでノイズが入っていなかったかな」と振り返ってみてください。
うまくいかないのは、自分だけが悪いわけではないと分かってきます。
職場の苦手な人と体の距離をとる4つの方法

苦手な人とは、できるだけ距離をとることが、シンプルですが大切です。
無理にコミュニケーションをとりに行かない、必要以上に深い話をしない、それだけでも負担は変わります。
1. 会う回数を減らす
会議やイベントでは、相手とは別のグループに入る。
席が近くてつらいなら、席がえをお願いしてみる。
伝えることがあるときは、メールやチャットなど、直接会わずにすむ方法を使う。
こうして、顔を合わせる回数を少しずつ減らしていきます。
2. 二人きりで話す回数を減らす
1対1の会話は、どうしても相手のペースになりやすく、相手の感情や言葉に飲みこまれやすくなります。
どうしても話さなければいけないときは、上司など、信頼できる人に同席してもらうのも一つの方法です。
3. 仲の良い同僚に、間に入ってもらう
仲の良い同僚がいたら、間に入ってもらって、複数人で対応するようにしてみてください。
自分一人で相手をしなくていいと思えるだけで、気持ちが楽になります。
4. 周りの人の関わり方を見てみる
周りの人が、その人とどう関わっているかを観察してみましょう。
「あの人は、共通の話題をふらないようにしているな」「先輩は、プライベートの話をしないようにしているな」など、まねできるところがきっと見つかります。
あなただけが我慢して、ヘトヘトになるまで相手をする必要はありません。
職場の苦手な人と心の距離をとる4つの考え方

職場では、体の距離をとるのが難しいこともあります。
そんなときは、心の距離をとってみてください。
1. 「そういう人なんだな」と割り切る
人の気持ちを察するのが苦手な人は、どうしてもいます。
「そういう人なんだな」と割り切って、必要以上にその人のことを考えるのをやめましょう。
2. 「ここまで」と境界を決める
「ここまでは相手をするけれど、これ以上は踏みこませない」と、相手とのあいだに境界を決めます。
相手の感情やわがままに、振り回されにくくなります。
話す前には、深呼吸をして一歩引き、自分に「落ち着いて」と声をかけるのもおすすめです。
3. 自分の中でボーダーラインを決めておく
「あと2回ひどいことを言われたら、言い返そう」
「明日も不機嫌な態度をとられたら、ひとこと伝えよう」
こんなふうに、回数や日にちでボーダーラインを決めておくと、行動するときの目安になります。
4. 職場以外にも、軸を持つ
副業を始めるなど、職場への依存度を減らすのも一つの案です。
「そこまで職場の人付き合いを大事にしなくてもいいのかも」と心に余裕が生まれて、苦手な人とも心の距離をとりやすくなります。
職場の苦手な人によくある質問
苦手だと思ってしまう自分が嫌です
どこに行っても、合わない人は一定数います。
苦手だと感じることは、おかしなことではありません。
ある程度は折り合いをつけつつ、明らかにあなたを傷つけてくる人とは、距離をとってください。
どうしても二人で話さなければいけないときは?
深呼吸をして一歩引き、冷静さを保ちましょう。
信頼できる人に同席してもらったり、メールやチャットを使ったりして、1対1の場面を減らすのもおすすめです。
家に帰っても、苦手な人のことを考えてしまいます
あなたがその人のことを考えているあいだ、相手はきっと、何くわぬ顔でおいしいご飯を食べて、ぐっすり眠っています。
あなたの大切な時間を、その人のために使う必要はありません。
まとめ:職場の苦手な人とは、距離をとっていい

職場の苦手な人に疲れてしまうのは、苦手な相手とも仲良くしようとする、あなたの優しさがあるからです。
でも、職場の人間関係は選べません。合わない人がいるのは、自然なことです。
体の距離と、心の距離。
できるところから、少しずつ距離をとってみてください。
そして、取り戻した自分の時間で、おいしいものを食べて、ぐっすり眠って、好きなことを楽しんでください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
精神科医しょうでした。




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